今回は穴熊の崩し方を紹介します。
穴熊は完成してしまえば絶対に王手のかからない形であり、手数はかかりますが最も堅い囲いです。ただ、そんな穴熊にも弱点はいくつか存在しています。上部から攻める場合と横から攻める場合を2回に分けて紹介しますので、ぜひ、熊退治をする際には役立ててください。
また、とても堅い穴熊ですが、図の玉は詰んでしまっています。
これは、極端な例ですが、穴熊は一見して大丈夫そうに見える形から一気に窮地に追い込まれることも多々ありますので、これから穴熊を使ってみたい、使っているという方も、ぜひ弱点を知って使いこなしてください。
上部から崩す:端攻め
上から攻めると聞いて最初に頭に浮かぶのが端攻めです。端は香車、桂馬、銀の3枚の駒が効いていますが、銀以外はバックができないため、一度崩れた囲いを元に戻のが困難です。また、端から攻める場合、側面に配置された金2枚が守りに直接効いてこないばかりか、玉の逃げ道を塞いでくれるため、効果的になることが多いのです。
それでは、実際に端を攻めてみます。準備として、歩を三枚持ち駒にしておいてください。
そして、端歩をついていって下図の形を目指して下さい。
(おまけで桂馬や香車が持ち駒にあるとより良いです。また、4四等に角があるのが理想ですが、今回は簡略化のため無しで解説します。)
この状態から、相手の対応としては、①桂馬でとる、②香車でとる、③銀でとる もしくは放置の4パターンかと思いますが放置した場合は香車を取って9八に打つだけで簡単ですので、残りの3パターンをみていきましょう。
①桂馬で取る
この場合の対処は、他の駒で取られた時にも関わってくるので最初に説明します。
桂馬は真上に効きのない駒のため、相手の9三同桂に対して、サッと香を走らせて、9三香→同香→8五桂という流れを狙うのもいいのですが、今回は歩が残り2枚ありますので、歩を9五に打ち、同歩に9四歩と打つのがより強い攻めになります。
その後、9五香と走り端に戦力を集中させてから、9三歩成とすれば穴熊崩壊です。
持ち駒に歩が2枚以上ある時に、相手の歩の前に歩を打ち、移動させたあと再び歩を打つ手筋は穴熊攻略において頻出ですので覚えておいてください。(継歩といいます)
②香車で取る
お次は、9三の歩を香車で取ってきた場合です。個人的には、出現率が一番高いような気がします。この場合は、香車をとるために桂馬を8五に跳ねます。その後、9三桂と香車をとり、同桂と受けてきた場合は①と同じように歩で桂頭を攻めていきます。同銀の場合は先ほど取った香車を9八に打って足し算の攻めで攻撃が続きます。この場合もかなり穴熊の形を崩すことに成功しました。
③銀で取る
最後のパターンです。もうここまでの①、②でほぼ説明は終わっていますが、一応解説します。9三銀と取ってきた場合は、桂馬を跳ねます。放置をすると守りの要である銀を取られてしまうので、もともと居た8二にバックするのですが、9三に再び歩を打ちましょう。その歩を銀で取ったくれた場合は、桂馬と守りの銀の交換で大満足ですし、桂馬や香車で取ってきた場合も上の①、②を少し応用すれば簡単に崩せると思います。
また、冒頭で述べましたが歩3枚の他に桂馬や香車を持ち駒として持っている場合や9三に角を効かせている場合は、①、②、③の攻めに加えて、8五桂馬の繰り返しや香車の足し算などでより迫力のある攻めができます。
上部から攻める:8三(銀の頭を攻める)
ここまでは端攻めを紹介しましたが、7二の金がない図のような穴熊の場合、8三を守っている駒が銀だけですので、端攻め以上に破壊力のある攻めが出来ることがあります。
準備物は、歩を2枚と桂馬です。準備が整ったら8筋の歩を突きましょう。放置する場合と取ってくる場合の2パターンがありますが放置された場合、8三歩成→同銀→8四歩とすれば、銀がどう動いても8三桂馬の王手金(銀)取りを防ぐことができません。
なので、放置せずに取ってくるのですが、ここで端攻めでも紹介した穴熊攻略の必須手筋である継歩の登場です。すかさず7五歩と継歩をして、同歩としてきた場合は7四に垂れ歩をして次の番に7三桂馬として優勢、放置なら7四に歩を進めて7三歩打(相手)→同歩→同銀→7四歩→銀逃げる→7三桂馬で金か銀GETです。
どちらにしても、7三桂馬を打つのが目的。7三香車や金銀でも面白い。
~おまけ1~
もし、7二に金がある場合であっても密集している穴熊の特性上、8三の地点に2枚以上の駒を効かせることが難しいため、3枚以上の駒で攻めれば高確率で囲いを崩せます。
最後を桂馬ならずにすれば王手金取りもかかる。
~おまけ2~
持ち駒に桂馬がない場合でも、8三の歩攻めは有効です。銀は真下、金は斜め下にバックできないことから、8三の歩を銀で取っても、金で取っても、元の場所へバックができず、形が崩れます。(横から攻めているときに使いたいテクニックです)
どちらで取っても二枚替えがきまる。
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